静岡蒸溜所が「静岡らしいウイスキーを造る」ことを目標に始めたプロジェクト、静岡県産大麦の栽培。
今年も収穫が始まりました!
シングルモルトウイスキーの原材料・大麦
ウイスキーの原料である大麦。現在では世界的にウイスキー造りが行われていますが、その産地は問われることがありません。本場スコットランドでは、SWA(The Scotch Whisky Association/スコッチウイスキー協会)の定めるウイスキーについての細かい規定がありますが、原料の大麦が国産という規定はないのです!
静岡蒸溜所では、「ジャパニーズウイスキーであるのなら国産大麦を使いたい」という思いから、創業当時より希少な国産大麦を100%使った仕込みを始めていました。実はこれ、業界ではほとんど行われていなかった試み。国産の大麦は、その大半が麦茶や食用、あるいはビール醸造用として使われていました。
ウイスキーは、蒸留を2回繰り返すことで高いアルコール度数の原酒を得ることができますが、その分原材料も大量に使用します。現在の静岡蒸溜所の製造バッチでは、1回の仕込みに使用する麦芽は約1トン。そこから造られるもろみが約5200L、そして2回の蒸留を経て出来上がるニューメイクスピリッツ(原酒)は、550Lほどです。
ウイスキー造りが難しいと言われるのは、熟成に時間を要するからだけでなく、大量の原料を使用して仕込み続けなければならないことも大きいのです!
つまり、もともと収穫量の少ない国産大麦をさらに凝縮して造るウイスキーは、とてもコストのかかる贅沢なもの。多くの蒸留所がチャレンジしない理由のひとつです。
静岡県産大麦でのウイスキー造り
しかし静岡蒸溜所は国産大麦にとどまらず、静岡県産大麦でウイスキーを造りたいと志します。その当時、県内には大麦栽培をしているところはほぼありませんでした。
最初は2016年、静岡蒸溜所の近隣である玉川地区と富士宮にて、農家さんの協力を得て栽培を開始。わずか1日分の仕込みができる量だけではありましたが、「100%静岡ウイスキー」実現への第一歩となりました。
そして2019年、静岡市のお隣の焼津市にて、JAおおいがわ、静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県農林技術研究所のご協力で、本格的に大麦栽培に着手していただくことになりました!
以来、毎年少しずつ作付面積を増やし、収穫量も増大。
昨年12月には、14.3ヘクタールに面積を増やして栽培をスタートしていただきました。
品種は、二条大麦の「ニューサチホゴールデン」。主にビール用大麦として国内各地で栽培されています。
2023年、静岡県産大麦の収穫!
5月は「麦秋」と呼ばれる、麦の収穫シーズン。今年もいよいよ、収穫が始まりました。見事な金色に実った大麦が風に穂を揺らしています。
静岡蒸溜所スタッフも収穫に参加させていただきました!
刈り取りを行った後には、脱穀され、きれいな大粒の麦が現れました!
最終的な収穫量は、すべての収穫が終わった後に計量されますが、今年は過去最高になりそうとのこと!
昨年の時点で、すでに静岡蒸溜所で使用する大麦麦芽のうち、約1割が静岡県産に。
生産量も上がっているため、この比率は大きくは変わりませんが、より多くの100%静岡ウイスキーが仕込めます☆
農家のみなさま、関係者の方々のご協力、スタッフ一同心よりお礼申し上げます!
大麦は収穫後、モルティングの工程を経て、秋以降に蒸溜所に届きます。
そこからさらに粉砕、発酵、蒸留。そして、熟成に数年。長い時間をかけ、ウイスキーに育っていきます。
みなさまにお披露目できる日が待ち遠しい!その日を楽しみに待ちましょう♪
【協力農家さん募集中!】
静岡蒸溜所では、100%静岡産ウイスキー造りを広げていくために、静岡県内で大麦の栽培にご協力いただける農家さんを探しています。詳細は下記のリンクから、静岡蒸溜所へお問い合わせください。
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