静岡市のお隣、マグロやカツオでも有名な焼津市で、ウイスキーの原料となる大麦の栽培がスタートしました!
地元静岡県内でウイスキー用に大麦を栽培していただくのは、今回で2回目。焼津の農家さんを始め、JAおおいがわ、静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県農林技術研究所など、たくさんの方々にご協力を得て、無事収穫することができました。
収穫の模様は、9月3日(木)のBSフジ「ウイスキペディア」(毎月第1木曜23:30〜)でも取材いただいたので、放送をお楽しみに。
これから製麦を経て、秋以降に仕込みをする予定です。
本日は、第2回目となった静岡産の大麦の収穫についてお知らせします。
静岡県産大麦の栽培が本格スタート!
ウイスキーの原料のひとつ、麦芽。これは、字からもわかる通り、大麦を発芽させたものをいいます。
大麦自体、国内では限られた量しか生産されていません。価格も高いため、日本の主な蒸溜所では、麦芽をスコットランドなど海外から輸入をしているのです。
静岡蒸溜所では、海外から麦芽を輸入しつつ、一定量は国産の麦芽でウイスキー製造をしています。麦芽の品種はもちろんですが、産地によっても異なる味わいのウイスキーになるんですよ。
国産の麦芽の主な産地は、九州か北関東。残念ながら、静岡県内では近年、ほとんど栽培されていませんでした。
せっかく静岡でウイスキーを造るなら、静岡産の大麦麦芽で造りたい!
そこから始まったのが、地元静岡産の大麦栽培です。2018年には、僅か一日分だけではありますが、静岡産の大麦と酵母、そして仕込水のオール静岡産ウイスキーの仕込を実現することができました。
そして、もっとたくさん静岡県産大麦で仕込みたい!ということで、2回目のチャレンジとなる今回は、静岡市のお隣の焼津市で2019年からスタートしました。
ご協力いただいたのは、3名の農家さん。
どなたも、大麦の栽培は初めて。静岡県が開発した酒米「誉富士」の栽培はしていても、麦は全く異なります。それでもチャレンジしてくださいました!
大麦の播種は2019年11月から始まり、12月に畑を見に行ったときには、早くも青々とした芽が出ていました。
焼津でははじめてのチャレンジということで、技術的なことから流通までをたくさんの方にサポートもしていただきました。
- JAおおいがわ
- 静岡県経済農業協同組合連合会
- 静岡県農林技術研究所
2月には、芽の中に幼穂という穂になる部分も。これからの成長をじっくり確かめているところです。
そして、5月には刈り入れ。見事な黄金色に実った大麦を、まとまった量で収穫することができました!
今後は、この大麦を麦芽にする製麦の作業が待っています。
大麦に水分を与えて発芽させると、糖化酵素が活性化します。その後、酵素の力を維持できる温度で乾燥させ、ようやくウイスキーの原料となる麦芽となるのです。
製麦を終えた麦芽は、10月から始まる次年度の製造シーズンで使用予定。そのための静岡酵母も準備中です。ウイスキーの原料となる麦芽、酵母、水の全てを静岡産で、まとまった量仕込める日がいまから楽しみです。