【レポート】5年目の収穫へ!緑の穂揺らす静岡大麦

静岡県産大麦を使って仕込む「オール静岡ウイスキー」は、静岡蒸溜所の大きなテーマのひとつ。
その大麦の育成状況の視察に、焼津市の大麦畑を訪ねました。

静岡蒸溜所が契約する大麦農家さんは、焼津市にて栽培をされています。
日本酒用の酒米づくりや小麦の栽培が中心で、大麦はお米の裏作として秋〜初夏にかけて育ちます。

4月の中旬には、青々とした葉と穂を備えた大麦が風に揺れる光景が見られます。
この大麦は、ニューサチホゴールデンという、栃木県にて誕生した品種。ビールやウイスキー用として全国に広がっています。二条大麦で粒が大きく、劣化しにくいビールが造れるという特徴を持っています。香味成分も優れていて、日本のクラフトビール造りにおいて大きな貢献を果たしている品種です。
同じ大麦を原料とするウイスキーにおいても、このニューサチホゴールデンを採用しました。

あらゆる農作物と同様に、その年の天候や気象状況に大きく左右される大麦栽培。
今年は雨が多く不安定な気候に悩まされたとのこと。JAおおいがわの担当者の方と、代表 中村が麦の状況をチェックします。

大麦生産者のひとり 小畑さん(写真左)は小麦栽培の経験があったため、県産大麦のプロジェクトに意欲的にご参加くださいました。同じく焼津で酒米を栽培する村松さん、八木さんへもお声がけくださり、2019年から3軒の生産者さんによる栽培がスタート。今年は5回目の収穫となります。

視察の後は、生産体制や大麦栽培に関する経費などに関する報告、ウイスキー業界についての意見交換会が行われました。
世の中のさまざまな物価上昇の例に漏れず、肥料や資材などもかなり高騰しているとのこと。大麦は特にたくさんの肥料を必要とする穀物。安定した生産のために、大麦の仕入れ価格の見直しや補助金対策、経費削減の方法などが話し合われました。

現在では、静岡蒸溜所の全生産量の約2割もの大麦をまかなっている県産大麦。農家のみなさんをサポートするためにも、良いウイスキーをつくっていく重要さを強く感じました。

このまま気候が順調であれば、収穫は5月下旬の予定。豊かな実りを願ってやみません!収穫についてはまたこちらでレポートしますので、どうぞ楽しみにお待ちください。

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