遠く離れたスコットランドの地から、待望の蒸留機がやってきました!
初留釜(ウォッシュスチル)と再留釜(スピリットスチル)の合計2機。
製作したのはフォーサイス社という、スコットランドでは言わずと知れたウイスキー製造設備メーカーです!
写真は、製造中の蒸留機を、現地まで確認に行った時の一コマ。
一番右側にいるのは、フォーサイス社のジョナサン氏。この蒸留機の製造担当者で、輸送に向けていろいろと確認をしているところです。
静岡蒸溜所がまだ影も形もなく、用地の確保すらできていなかった時にオーダーされた蒸留機。
当時はまだクラフトディスティラリーもそれほど多くありませんでしたが、それでも「18ヶ月待ちだよ」と言われたそうです。
実際には、最初オーダーした内容にさまざまな変更を加えたため、さらに制作期間が長くなりました。そのため、すでに稼動している軽井沢蒸留所の蒸留機と比べてだいぶ遅い到着となったのです。
現地での確認から数ヶ月後。やっと清水港にやってきました!
まずは、コンテナからの荷下し。輸送トラックがひっきりなしに行き来する倉庫エリアで行われました。
蒸留機の釜部分がひとつずつ木の箱に入っています。
より大きい初留釜は、なんと横幅3.85メートル。クレーンで吊り上げられ、空に浮かぶ光景に、なんだか訳もなくワクワクしてしまいました。
そしていよいよ搬送…といきたいところですが、なんと明朝まで待機。
理由は、この横幅。大きすぎて通常の搬送ができないため、交通量の少ない時間での搬送の許可を取ったのでした。
まだ暗い午前4:30。右側2台が蒸留機が乗ったトレーラー。左側の2台は、安全のためトレーラの前後を走ることになる誘導車です。いよいよ出発です!
安全のために夜道を明るく照らす誘導車と、そこに浮かぶ巨大な木箱。中身を知っているせいか、それだけでもカッコよく見えてしまいます。
明け方の冷気とともに1時間半後、ようやく蒸溜所の敷地内に到着です。
まだまだ暗い蒸溜所で、作業開始までしばし休憩。
そして朝8:00。大きなクレーンもやってきて、搬入の準備が始まりました!
とはいっても、まずは木箱を開けるところから。これが中々開きません。
たくさんの長い釘が打ち付けられているため、職人さんが総出でバールを使ってこじ開けます。
まず、再留釜の木箱が空きました。クレーンで空高く吊り上げられます。
こちらは初留釜。その大きさゆえに、直接クレーンで吊り上げられず、木箱の中の台座ごと動かしました。
搬入口である蒸溜棟のシャッターは、十分な大きさなのですが、初留釜からはパイプが突き出ているため、ぶつからないかハラハラ。
職人さんが慎重に向きを調整しながらの搬入となりました。
蒸留機の首部分や、ラインアーム、コンデンサーや、スピリットセーフなどの部品も蒸溜ルームの中に、次々と運び入れられます。
搬入完了!部品の覆いを解き、搬入漏れがないかどうか、今後の手順などを業者さんと相談中。
蒸留機って、もっとピカピカしてるものだと思っていたら、意外と…
組み立て終わったら、ピカピカに磨いてあげよう。
2機の蒸留機は、専門の業者さんの手によって組み立てられます。早ければ2017年2月には、このフォーサイス社製の蒸留機を使用したニューポットも樽詰めできるかもしれません♪