静岡蒸溜所のウイスキーを樽単位でご予約いただけるサービス「プライベートカスク」。
プライベートカスク2017をお申し込みのカスクオーナー様に、樽詰め前のニューメイクスピリッツをお届けいたしました!
また、静岡蒸溜所のニューメイクスピリッツから5年熟成のウイスキーまで、6年かけて毎年6本ずつ、合計36本お届けする、プレミアムボトル・セレクション!
初の出荷となる、第1弾のニューメイクを6種類、メンバーのみなさまに発送完了です!
本日は、それぞれのニューメイクの詳細について、お伝えいたします♪
静岡蒸溜所ニューメイクスピリッツをお届けしました!
粉砕した麦芽を糖化し、酵母を加えて発酵させ、蒸留機で2回以上蒸留をしたものをニューメイクといいます。このニューメイクを樽に詰め、熟成させることによりウイスキーとなるのです。
静岡蒸溜所では、まだニューメイクのみでのリリースはしていない状態。
ですが!この度、プライベートカスク2017をご予約のカスクオーナー様と、プレミアムボトルセレクション2018をお申し込みのメンバーのみなさまに、ニューメイクの発送をいたしました。
どんな特徴のニューメイクなのか、それぞれお知らせいたします!
<プライベートカスク2017>
プライベートカスク2017は、2016年12月に予約受付を開始したサービス。大きさの異なる3種類の樽の中から、どれでも1樽を自分のウイスキーとして予約できます。中身は、静岡蒸溜所で造られたアンピーテッドウイスキー。
その名の通り、2017年に樽詰めをして、貯蔵庫の中で熟成中です。
3年間の熟成を経た後、サイズにより定められた最長貯蔵期限の間ならいつでも、お好きなタイミングでボトリングをしてお届けいたします。
今回、プライベートカスク2017のカスクオーナーのみなさまにお届けしたニューメイクはこちら。
ボトルは、静岡蒸溜所のサンプル採取で使用しているものと、同じもの。
まずは、ラベルの見方についてご説明いたします。
【Batch No.:バッチナンバー】
1仕込みごとにつけられているのが、バッチ(仕込み)ナンバーです。このナンバーを見ることで、何仕込み目のウイスキーかがわかります。
プライベートカスク2017で樽詰めしたものは、何回かのバッチでできたニューメイクをヴァッティングして、味わいの均一化を測っています。写真のものは「17-16〜46」のため、16回目〜46回目の仕込みをヴァッティングしたもの、ということになります。
【Cask No.:カスクナンバー】
プライベートカスク2017をお申し込みいただいたカスクオーナー様の樽の番号です。
後日お届けするオーナー証明書にも記載されますので、お楽しみに♪
【Distilled:蒸留日】
初留(1回目の蒸留)をした日を記載しています。
今回は、ヴァッティングをしているため、最後のバッチの初留日を記載しています。
写真のものは、2017年12月19日。バッチナンバーの情報と合わせると、46回目の仕込みの初留が、この日だったということになりますね。
【Malt:麦芽】
使用した麦芽のタイプを記載しています。
今回使用している麦芽は、下記のアンピーテッドタイプです。詳しくは、プレミアムボトル・セレクションの方で、ご説明します。
・Distilling(ディスティリングモルト)スコットランド産
・Pilsen(ピルゼン・ピルスナー麦芽)ドイツ産
【Type:蒸留機のタイプ】
2回の蒸留を、どの蒸留機で行ったかを示しています。
K(Karuizawa Still):元軽井沢蒸留所蒸留機(初留)
FもしくはW(Wood -fired Still):フォーサイス社製薪直火加熱方式蒸留機(初留)
S(Spirit Still):フォーサイス社製蒸気間接加熱方式蒸留機(再留)
ラベルには「KS&FS」とあるため、初留を軽井沢蒸留所から移設した蒸留機で蒸留したニューメイクと、フォーサイス社製の薪直火の蒸留機で蒸留したニューメイクをヴァッティングしたもの、ということになります。
【Yeast:酵母】
酵母の種類を記載しています。
さまざまな種類の酵母がありますが、プライベートカスク2017で使用している酵母は全て、マウリ社のPinnacle(ピナクル)という顆粒状のドライイーストです。
【Alc:アルコール度数】
2回の蒸留を経てできたニューメイクの度数は、だいたい70%前後。これを63.5%前後まで加水をして、樽詰めをしています。
好評により即完売となったプライベートカスク2017。
アンピーテッドウイスキーと、ピーテッドウイスキーを選択できるプライベートカスク2018は、まだご予約いただけます♪
あなただけのウイスキー。この機会にぜひ、お申し込みください。
プライベートカスク2018お申し込みページ
<プレミアムボトル・セレクション2018>
静岡蒸溜所のニューメイクから5年熟成のウイスキーまで、6年かけて毎年6本ずつ、合計36本お届けする、プレミアムボトル・セレクション!
第1弾となる今回は、静岡蒸溜所で造られた蒸留したてのニューメイクを6種類。
その内容について、順番にお知らせいたします♪
ボトル番号 | 初留 | 再留 | 麦芽 | Alc. | 蒸留日 |
Bottle No.1 | 元軽井沢蒸溜所
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
フォーサイス社製
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
国産
サチホゴールデン |
63.3% | 2017年4月10日 |
Bottle No.2 | フォーサイス社製
薪直火加熱方式蒸留機 |
フォーサイス社製
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
国産
サチホゴールデン |
63.8% | 2018年3月20日 |
Bottle No.3 | 元軽井沢蒸溜所
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
フォーサイス社製
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
カナダ産
ピルスナー麦芽 |
63.1% | 2017年6月7日 |
Bottle No.4 | フォーサイス社製
薪直火加熱方式蒸留機 |
フォーサイス社製
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
スコットランド産
ディスティリング麦芽 およびドイツ産 ピルゼンモルト |
63.5% | 2018年2月13日 |
Bottle No.5 | 元軽井沢蒸溜所
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
フォーサイス社製
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
スコットランド産
ピーテッド麦芽40ppm |
62.4% | 2017年7月27日 |
Bottle No.6 | フォーサイス社製
薪直火加熱方式蒸留機 |
フォーサイス社製
蒸気間接加熱方式蒸留機 |
スコットランド産
ピーテッド麦芽40ppm |
62.8% | 2017年7月26日 |
今回のポイントは2つ。
・蒸留機による味わいの差
・原料の麦芽による味わいの差
この違いが、出来上がったニューメイクに大きな影響を与えています。
【蒸留機】
ガイアフローでは、軽井沢蒸留所から移設した蒸留機1機と、フォーサイス社製の蒸留機2機を使って製造をしています。
形も加熱方法も異なるそれぞれの蒸留機。
この蒸留機を初留(1回目の蒸留)と再留(2回目の蒸留)でどう組み合わせるかがポイント!
元軽井沢蒸留所蒸留機:初留用(蒸気間接加熱方式)
フォーサイス社製蒸留機:
初留用1機(薪直火加熱方式)+再留用(蒸気間接加熱方式)
2回の蒸留のうちでも、特に重要なのが1回目の蒸留。
蒸留機に投入するウォッシュ(モロミ)は、発酵を終えた酵母などが溶け込んでいて、粘度がある状態です。これをそのまま濾過せずに蒸留機に投入し、加熱して蒸留することで、さまざまな熱化学反応が起こります。
そのため、どのように加熱されるかが重要になってくるのです。
軽井沢の蒸留機は、間接加熱。
蒸留機の内部に、チューブ型のコイルとパーコレーターというバケツ型のシリンダーがあり、ここにボイラーでつくられた蒸気を送り込むことで加熱をします。
間接加熱方式は、蒸気を使って穏やかに満遍なく加熱されるのが特徴です。
温度調節もしやすく、モルティーさが残る軽くすっきりとした味わいになります。
一方、フォーサイス社製の初留釜は、薪を燃料とした直接加熱方式。
薪ストーブをそのまま大きくしたようなかまどに、薪を並べて火をつけ、釜を直接加熱することで内部のウォッシュを温めるのです。釜の内部には、ラメジャーと呼ばれる鎖の網のようなものが設置されており、これを回転させ続けることで、加熱されたウォッシュの焦げ付きを防ぎます。
温度調節は、かまどの正面にある小窓の開閉のみ。追加で薪をくべる際は、かまどの扉を開けて行うため、内部の火が吹き出すこともあり、慎重に作業を進めなければなりません。
直火を使用した場合は、間接加熱方式に比べ、蒸留速度が早く、コクのあるパワフルな味わいになります。
【麦芽】
今回使用した麦芽は5種類。
・サチホゴールデン(国産)
・ピルスナー(カナダ産)
・ピルゼン(ドイツ産)
・ディスティリングモルト(スコットランド産)
・ピーテッド麦芽(スコットランド産)
まずは、国産のサチホゴールデン。
国内で収穫し、製麦された麦芽です。輸入麦芽に比べて価格が非常に高いため、一般的なウイスキー造りでは使われていません。弊社では製造開始初年度から、ある程度の量の仕込を国産麦芽で行っています。産地は、九州北部の福岡県、佐賀県です。繊細かつデリケートな味わいのニューメイクは、日本らしさを感じさせます。
スコットランド産のディスティリングモルトとピーテッド麦芽は、品種は明らかにされていませんが、ウイスキー用に開発されたもの。ビール用の麦芽よりも、粒に含まれるデンプンが多く、酵素力もより強いのが特徴です。このため、アルコールをより多くつくりだすことができるのです。
また、ピーテッド麦芽は、ヘヴィリーピーテッドというピートをふんだんに焚き込んだものを使用しています。ニューメイクの高い度数だとわかりにくいですが、加水すると一気にピートの香りが広がるので、ぜひ試してみてくださいね♪
カナダ産のピルスナーとドイツ産のピルゼンは、通常はビールづくりに使われる麦芽。酵素力は、ディスティリングモルトより劣りますが、そのぶん豊かな風味と味わいが出るのが特徴です。
ボックス蒸溜所の蒸溜所長ロジャー氏も、このピルスナータイプの麦芽の味わいがお気に入りだとか。
こちらのプレミアムボトル・セレクションは、2019年も受付をする予定です。詳細は、近日中に発表予定!
静岡蒸溜所での熟成の過程を、1年ごとに確かめてみませんか?
プレミアムボトル・セレクション2018
ガイアフロー静岡蒸溜所のウイスキーづくりは、試行錯誤を重ねながら、着実に進んでいるところです。
カスクオーナーのみなさま、プレミアムボトル・セレクションのメンバーのみなさま、今後の熟成もお楽しみに♪