2016年12月17日
静岡新聞 朝刊 経済面
静岡のウイスキー蒸留所
樽詰め原酒にオーナー制
19日から販売開始
静岡市の中山間地でウイスキー製造を始めたガイアフローディティリング(中村大航 社長)は19日から、蒸留したウイスキーを樽(たる)単位で販売するサービスを展開する。樽詰めをした原酒のオーナーを決め、豊かな自然に育まれながらウイスキーが熟成を深める過程を楽しんでもらう狙いだ。 同社は葵区落合の市有地に「静岡蒸留所」 を新築した。9月にウイスキー製造免許を取得して製造を開始し、 12月9日には初の樽詰めを行った。 サービスの名称は 「プライベートカスク販売」。2017年10月以降に蒸留したウイスキー原酒を、内容量が異なる3種類(180リットル、110リットル、55リットルのカシ樽に詰めた状態で売り出す。購入者は樽詰めの日から3年をすぎれば、決められた貯蔵期間内の好きなタイミングで瓶詰めをして持ち出せる。瓶詰めを複数回に分ければ、異なる味わいを楽しめる。蒸留所を訪れ、樽から少量を取り出して試飲することもできる。 申し込み価格(保管料·保険料含む)は29万9千 99万9千円と高額だが、会員向けの先行予約では酒販店やバーテンダー、ウイスキー愛好者から想定以上の申し込みがあった。19日からは対象を一般に広げる。 国内ではウイスキーを樽で買える機会は少ないという。中村社長は「ウイスキーは樽の材質や大きさ、貯蔵期間などの影響を受けて味わいを変えていく。 熟成の進み具合を自身で見極めながら瓶詰めしたウイスキーは特別な品になる」と話す。