2015年7月2日(木)中日新聞 静岡総合面
ウイスキー蒸留所建設へ
“現代のマッサン”葵区玉川元気に
静岡市が業者住民と連携 農産物加工場も
静岡市は一日、葵区玉川地区の活性化を目指し、事業会社や地元住民団体と協力してウイスキーの蒸留所と農産物加工場を建設すると発表した。
蒸留所はウイスキーの輸入・卸・販売を手掛ける「ガイアフロー」(清水区)が設置し運営する。二〇一六年春までに完成、原酒造りに取り掛かる。たる詰めして熟成させ、一九年からの発売を目指す。投資額は四億円。玉川地区の市有地のうち二千平方メートルを一年間三十万円で賃借した後、買い取る予定。
農産物加工場は、中山間地域活性化に向けた市の支援事業「おらんとこのこれ一番事業」に選ばれた住民団体「Refre玉川」が建てて運営していく。玉川地区は葵区の旧安倍川六カ村のうち唯一、加工場がなかった。最後発となる分、有機農業でこだわりの野菜を育てながら独自のレシピを提供する。総事業費は約一千万円。
この日、田辺信宏市長はガイアの中村大航社長と土地賃貸借契約を締結し、Refreの安本好孝代表に事業認定書を手渡した。中村社長は「静岡が感じられる日本らしい繊細なウイスキーを目指す」と述べ、安本代表は「こだわった農産物で地域の再建を図る」と豊富を語った。(横光竜二)