2015年5月22日 日経MJ
ウイスキー生産参入
ガイアフロー 19年発売目指す
【静岡】酒類の輸入販売を手掛けるガイアフロー(静岡市)が、市内でウイスキー生産に乗り出す。約4億円を投じて安倍川上流に蒸留設備などを整え、来春から原酒の仕込みを始める。熟成期間中は、国内外の酒類メーカーに原酒の一部を納入するなどして運転資金を確保し、2019年にはウイスキーを発売。10年後に約6億円の売上高を目指す。
ウイスキー生産は14年10月に設立した子会社「ガイアフローディスティリング」(同)が主体となって取り組む。約2千平方メートルの敷地に7月から製造棟や貯蔵庫などの建設に着手する。
蒸留設備は旧メルシャン軽井沢蒸留所(長野県御代田町)の設備を移設する。16年2月に完成、4月にも年間20万リットルの原酒製造を始める計画だ。原酒を熟成する3〜5年間、原料である大麦の調達や人件費などのコストを賄うため、年間約10万リットルの原酒をOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。
国内のほか欧州からも引き合いがあるという。ウイスキー愛好家への原酒販売も含め、工場稼働初年度から年間1億円の売上高を見込む。
ガイアフローの中村大航社長は12年、将来のウイスキー生産を視野に同社を設立。洋酒の輸入販売などを手掛けながら英スコットランドなどでノウハウを学び、静岡県内で生産に乗り出す機会を探っていた。