2015年3月30日(月) 読売新聞 全国版 夕刊
静岡にウイスキー蒸留所
9月にも着工 19年頃初出荷へ
国産ウイスキーが海外で高い評価を受け、国内でも人気が高まる中、静岡市に新たにウイスキー蒸留所が建設されることになった。同市の中央部を流れる安倍川上流部に、市内の洋酒輸入会社が9月にも施設を着工。来春には原酒を仕込み始め、2019年頃に商品を売り出す計画だ。
建設するのは、同市清水区の「ガイアフロー」(中村大航社長)で、安倍川上流部の玉川地区の約2ヘクタールに、年明けまでに蒸留所と貯蔵庫を1棟ずつ建てる。別の会社が7年前までウイスキーを製造し、現在は稼働していない長野県御代田町の「軽井沢蒸留所」の設備を買い取り、一部を再利用。新東名高速道路の出入り口からも近く、将来は地場商品の売店や遊歩道なども設けて見学者を招く。
同市に生まれ育った中村社長は、12年にウイスキーの本場、英スコットランドの蒸留所を数多く見学し、古里でのウイスキー作りを志したという。地元住民も「地域活性化に繋がれば」と期待しており、周辺の農家からは「原料の大麦を生産するので利用して」との声も上がっているという。