こんにちは。担当Oです。
秩父ウイスキー祭りを今週末にひかえ、何かとあわただしい毎日です。
今日は、今月初旬に麻布十番の可不可にて開催いたしました、ブラックアダーのイベントについてお伝えしようと思います。
BLACKADDER ロビン・トゥチェック氏@麻布十番kafukaを開催いたしました!
2016年2月7日(日) 17:00~
麻布十番の和食の名店可不可にて、「ありのままのウイスキーとwashokuのコラボレーション」ということで、ブラックアダーのイベントを開催いたしました。
会場となった可不可は、麻布十番の路地裏にある、大人の隠れ家といった風情の素敵なお店です。
オーナーの宮下さん自ら、下ごしらえ等の準備を進めてくださっていました。
今回のイベントでは、まずロビン氏がウイスキーを選び、それに合わせ宮下さんが時季のものでお料理を作るという形を取っています。
まずは、可不可のオーナーの宮下さんより、ご挨拶いただきました。
普段の可不可でも、お酒のイベントはありますが、ウイスキーのイベントは初めてとのこと。
ウイスキーと合わせる可不可の和食はどんなものなのか、待ち遠しい気持ちでいっぱいです!
そして、ロビンの挨拶の後、ABERDEEN AUCHROISK SINGLE MALT 2009 6yo Cask ref:ABD1014 46%で乾杯!
アバーディーンシリーズは、全ての商品を加水により度数を46%に調整しているため、飲み口が軽くなっています。
特にオスロスクの、柔らかいながらもすっきりとした甘みはアペリティフとしてぴったりでした。
先付は、ホクホクとした百合根の入った、なめらかな茶碗蒸し。
ほんの少しだけのせられた梅あんのしっかりした酸味が、きりりと味を引き締めています。
この茶碗蒸しを食べた後再びオスロスクを口に含むと、梅あんのおかげかなめらかなナッツのペーストのようなコクが感じられ、お客様もその味わいの変化に驚いていらっしゃいました。
前菜は、辛子酢味噌で和えた季節の野菜と魚介類。
春の訪れを感じさせる菜花やサヨリ、うどに、冬の名残の赤貝を酸味を抑えた芥子酢味噌で和えてあります。
1杯目のオスロスクと合わせると、今度はさらりと口の中をリフレッシュしてくれ、また違った印象になりました。
そして、そんなオスロスクを楽しみつつ、2杯目のBLACK SNAKE VAT5 2ND VENOM from PX Cask N/A 58% が登場です。
ブラックスネークヴァット5のペドロヒメネス由来の酸味のある苦味は、春の食材の苦味にも似て、とても相性が良かったです。
この日お出ししたウイスキーの中で特に人気があったのが、このブラックスネークヴァット5セカンドヴェノム。
その味わいもさることながら、必ずシェリー樽でフィニッシュをかけ、同じ蒸溜所のモルトを継ぎ足しながら3分の2ずつボトリングするというちょっと変わったボトリング方法も、興味を惹かれる一因だったかもしれません。
お椀は、柔らかく蒸した白子に、聖護院蕪のみぞれあんをかけたもの。
柚子や水菜、京人参があしらわれた、冬景色のような美しいお椀でした。
前菜とはうって変わった、まったりと濃厚な味わいの白子にもヴァット5セカンドヴェノムは不思議にマッチしていました。
ヴァット5セカンドヴェノムの持つ枯れた苦味と甘みがお料理のアクセントになったのではないかと思います。
お造は、鯛のお刺身。
下には塩をした蕪と水菜が敷かれ、昆布のオイルがかけられていました。
今回、和食というくくりの中で最もウイスキーと合わせるのが難しいのでは?と思っていたのがお刺身です。
しかし、昆布のオイルがかけられていることで、鯛に昆布締めのような旨味が加わっていました。またカルパッチョのような洋の味わいが生まれ、ウイスキーにも合うお刺身に。
蕪や水菜にふられた強めの塩気と昆布オイルは、3杯目のウイスキーBLACKADDER RAW CASK TORMORE 1990 23yo 59.8% のしっかりした甘みと対照的で、互いを引き立てあう味わいとなりました。
焼物は、土佐酢で和えたキュウリを添えた太刀魚。
身はふっくらと焼きあがっていて、口の中で凝縮された旨味が広がります。
はじめは酒盗がどこにあるのかわからなかったのですが、一口味わうと濃厚な旨みが感じられます。
お客様も「この味は酒盗が隠れているからなんだね~」と驚きの様子でした。
この香ばしい旨みがつまった太刀魚が、トーモアの香ばしさ、クリーミーな甘さとぴったり!
意外な組み合わせとなりました。
揚物は、揚げた海老芋に蟹あんがかけられたもの。
しめじや菊菜、銀杏などがあしらわれ、蟹あんがかけられたお皿は、見た目にも暖かさを感じる一皿でした。
揚げられることで香ばしさとコクが増した海老芋は、ねっとりとしてキメが細かく、トーモアを口に含むとバターのような味わいがより感じられました。
また、蟹のうまみのつまったあんは口の中で柔らかく広がり、またウイスキーの刺激を求めてしまう、そんな味わいでした。
煮物は、京野菜とデュロック豚のポトフ。
そしてここで4杯目の、BLACKADDER RAW CASK VINTAGE COGNAC BRUGEROLLE 1989 60.7%が登場です。
人参やゴボウなどの京野菜とデュロック豚を使ったポトフは、まさに素材の味を感じられるあっさりとした、でも力強い味わい。
お肉は箸ですっと切れるほど柔らかく、その肉のうまみを吸った大ぶりの京野菜は、本当に味が濃い!
とろとろになったデュロック豚の脂身は甘く、コニャックの華やかな香りと絶妙なハーモニーを奏でました。
締めは、セリの入ったカキごはん。
それに、赤だしのなめこのおみそ汁と、香の物が付きました。
可不可では、締めのごはんはいつも土鍋で炊かれており、炊いている間、本当にいい香りが漂っています。
そんな香りを堪能していると、今回のスペシャルボトルが登場!
ロビンのプライベートストックからBLACKADDER RAW CASK CLYNELISH 1996 16yo 58.6%。
シェリー樽で熟成されたクライネリッシュなのですが、アメリカ向けボトルのため通常の700mlではなく、750mlと少しだけ容量の大きい不思議なボトル。
見てください!自慢の1本を手にしたロビンの得意気な顔つき!
〆のカキごはんは、セリが混ぜ込まれており、カキとごはんとセリのほろ苦さのバランスが素晴らしく、クセになる美味しさでした。
クライネリッシュは、カキごはんと同じように少し苦味があり、それがまろやかな甘みのいいアクセントとなっていました。
まさに食事の最後にふさわしい、ゆったりとした気分になれる味わいでした。
甘味は、甘く煮た金柑にフルフルとしたマスカルポーネのムースがかかったもの。
マスカルポーネのムースは、ひんやりとして、あっさりとした甘さ。
クライネリッシュをいただきながら、仕事を忘れて余韻にひたってしまいそうでした。
ロビンはウイスキーのボトルを持って、参加いただいたお客様それぞれのお好みの1杯を注いでいました。
みなさまお気に入りのペアリングで、冬らしい金柑の甘さを楽しんでいただけたのではないでしょうか。
最後は、みんなでビンゴゲーム!
用紙を3×3のマス目にし、そのマス目をお客様自身のお好きなアルファベット9つで埋めてもらう方法です。
読み上げるのはロビンにお願いしました。好きなアルファベットから言ってね、と伝えていたのですが、ロビンが選んだのはやはり自分の名前!
当選された3名の方々、おめでとうございました!
和やかな雰囲気の中、みなさんそれぞれのウイスキーを手に、お気に入りの組み合わせを探してみたり、ロビンにウイスキーに関する質問をしたり。
みなさまの思い出に残るイベントになっていれば嬉しいです。
今回参加してくださった方々、本当にありがとうございました!
また、美味しいお料理を作っていただいたオーナーの宮下さんをはじめ、ご協力いただいた可不可のスタッフのみなさまには、感謝してもしきれないほどです。
次回もまたこのようなイベントを考えておりますので、ぜひお楽しみに!