ベルギーからやってきた、ボトラーズ『アスタモリス』
日本未発売、一般的な知名度の低かったアスタモリスが、わずか1年で人気になったその秘密とは!?
前編では、アスタモリスの人気開花までの道のり、今後の更なる人気の“カギ”をお伝えします。
弊社がアスタモリスの発売を始めたのは、今から2年ほど前、2013年の終わり頃のこと。富嶽三十六景を使用したAsta Morris for Gaiaflow Glentauchers 21y 1992/2013 48.2%(完売)は、アスタモリスによる、ガイアフロー向けプライベートボトルとしてボトリングされました。今では、東海道五十三次シリーズが同じく浮世絵をラベルに使っているため、東海道五十三次シリーズ第0弾と呼ばれています。
東海道五十三次シリーズについて
2014年春にスタートした『東海道五十三次シリーズ』。
歌川広重による浮世絵を表ラベルに使用した、日本向けのシリーズです。誰もが知っている浮世絵と、アスタモリスのポップなデザインを掛け合わせた、斬新ながらも馴染みの良い、愛嬌あるデザインが目印のボトルです。
このシリーズがきっかけとなり、アスタモリスの人気が急上昇していくのです。
それまでの日本におけるアスタモリスというブランドは、ヨーロッパのウイスキーに精通している方々の間でこそ知られた存在ではありましたが、一般的には知名度はまだまだ。せっかくの日本初上陸にもかかわらず、弊社にはそれを大々的に宣伝する力もありませんでした。しかし、アスタモリスのウイスキーのクオリティーはピカイチ、どうしてもアスタモリスを飲んでいただきたいという思いがありました。
東海道五十三次シリーズ第0弾のグレントファースは、開栓後すぐの味わいも素晴らしいのですが、その後時間をかけることでゆっくりと豊かな味わいが広がっていく、時間をかけて楽しんでいただけるボトルです。
その味わいと同じように、多くの人に試飲していただく中で、徐々にではありますがアスタモリスのクオリティーの高さが話題となり、その人気が高まっていきました。
そしていよいよ東海道五十三次シリーズが発売されていくにつれ、そのポップなラベルのデザインと共に人気が急上昇していきました。
酒販店さんにも、今まで日本になかったアスタモリスというブランドの良さを知っていただき、その魅力を広めていただいています。
表ラベルに使用されている浮世絵は一部の切り取りだったので、大きな裏ラベルに浮世絵全体を載せ、また海外の方にも分かるように、浮世絵の注釈を英語で表記したものを添えています。
実は、この東海道五十三次シリーズにはあるしかけが潜んでいます。気付いた方は、コッソリ教えてくださいね。
マニアも唸るボトルをリリースしているアスタモリスですが、本国ベルギーで発売されるウイスキーは、年に10種程度とのこと。当然ながらこのボトリング本数は、他ブランドと比べますと、極端に少ないです。バート氏が言うには、30種類以上ものウイスキーを試飲して、そのなかでやっと1本、彼の舌に敵うものが見つかるということです。己の信条を守り抜き、選ばれた樽がアスタモリスのウイスキーとして出荷されます。東海道五十三次シリーズも、この過程を経てボトリングされています。
ちなみにバート氏の舌にはある伝説があります。
2014年に行われたバーショーにて、スコッチ・ジャパニーズ・その他ウイスキーをブラインドテイスティングをしたところ、なんとひとつも外すことなく正解したのです。バート氏はとても精確な嗅覚・味覚・記憶力の持ち主です。
この伝説が様々な人に伝わり、さらに多くの方々にアスタモリスのウイスキーが注目されることとなりました。アスタモリスのウイスキーを試飲した方は、複雑ながらも美味なる金色の液体の虜になっています。
伝説や、ボトリング本数を知ったからこそ思う、「ハズレ無し」の東海道五十三次シリーズ。知らない方は、ぜひ飲んでください。知ってる方は、「好きな蒸留所」以外も進んで飲んでみてください。
NOG!シリーズについて
アスタモリスのウイスキーを熟成していた樽に、ジンを入れて熟成させたものです。今現在発売しているNOG!は、東海道五十三次シリーズではない、日本未入荷のモートラック1995の樽を使用したものです。ただし、今後東海道五十三次シリーズなどで使用した樽を使って熟成したものが出てくる可能性があるので、使用した樽にも注目していただくと面白いかもしれません。
NOG! – No Ordinary Gin – Batch No.GF001
ちなみに、現在唯一発売しているNOG!ジンのバッチナンバーは“GF001”、意訳しますと“GAIAFLOW向け1番目”のボトルです!在庫限りの商品となっておりますので、気になる方は予備の確保もオススメいたします。
また、熟成のされていないジンは、ソウルジンとして日本向けにボトリングされ、2015年の夏から発売いたしました。このソウルジンは現在バッチ1とバッチ2が発売されており、このジンのレシピも、バート氏が考案したものです。
それぞれ使用したボタニカルは同じなのですが、異なる配合がされており、出来上がったジンはそれぞれが特徴的な味わいとなっています。本人は「以前はジンに興味はなかった」と言っていますが、彼のつくりあげたレシピは『華やか』という言葉がよく似合うジンに仕上がっています。
Asta Morris The Soul Gin Batch1
Asta Morris The Soul Gin Batch2
ちょっといいことがあったときに。あんまりうまくいかないときに。おもてなしのときに。アロマも味わいも、その場全体を盛り上げてくれるような、思わず笑顔になってしまうような、華やかで明るく、アレンジも楽しめるジンです◎
バート氏のこだわりがたくさんつまったアスタモリス。彼の情熱は熱く、尽きること無く、揺るぎない、“コア”なブランドと言えるでしょう。
一度ハマったら、病み付きになってしまう、そんな独創的な世界を貫くボトラーズブランドがアスタモリスです。