静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」
2017年3月2日 16:45〜
とびっきり情報局
世界が注目する新施設!
静岡市にウイスキー蒸留所完成
「先週、オクシズ(静岡市の山奥)の山あいにオープンした
静岡市初のウイスキー蒸留所」
「小規模ながら本格的な蒸留施設。
実は、世界からも注目が集まっているというんです」
「その確信の理由とは?
地域の活性化につながるのか?」
「オクシズの新たな可能性を秘めた驚きのスポットに、
カメラが潜入しました!」
大沼アナ「静岡市でウイスキーができちゃうのは、ちょっと驚きですね!」
森アナ「ウイスキーっていうと、寒いところで造っているというイメージがありましたけれど、そんな身近に!」
杉本アナ「最近はやっぱり、すごく人気ですしね」
堺アナ「ハイボールとか」
杉本アナ「ウイスキー、お好きでしょ?」
堺アナ「お好きです!(笑)」
伊地アナ「いま空前のウイスキーブームとも言われているんですね。
2010年頃からのハイボール人気。
それからNHK朝ドラ『マッサン』
初めての国産ウイスキーをつくる男性の情熱のドラマ
そこからウイスキー需要が急増しているというんです。
そんな中、世界が注目する新施設、
静岡市に初のウイスキー蒸留所が完成したんですね。
どんなロマンがあるのか?
なぜ世界が注目するのか?
工場内部に入って、そのヒミツが分かっちゃったんです!」
一同「え〜〜〜っ!!!」
伊地アナ「ビックリすると思います!こちらをご覧ください」
「静岡駅から北へ30分ほど。(※実際には40分ほどかかります)
山々に囲まれた土地に、突如現れる黒い建物!
所々には、ふんだんに木材が使われています。
実はこれが、静岡市に先月末、
初めてできたウイスキーの蒸留所です」
「蒸留所をつくったのは、清水出身の中村さん。
この蒸留所の命ともいえる大事な場所に案内してもらいました」
伊地アナ「今ここに、タンクのような大きな機械が
ウワーっとあるんですが、
これは何をしているところですか?」
中村「これはアルコール発酵してできたモロミを蒸留する蒸留機、
英語でポットスチルと呼びますが、
ここが静岡蒸溜所の心臓部です」
「実は中村さん、
生まれ育った清水で精密部品メーカーを経営していましたが、
あまりのウイスキー好きが高じて、会社を投げ打ってまで、
この施設をつくってしまった、という人なんです」
「去年、清水港に荷揚げされた蒸留機。
スコットランドの名門と言われるメーカーのもので、
1台数千万円。それを2台購入したんです。
その後、この場所に移されて組み立てられました。
世界でも珍しいという薪式の蒸留機も導入したんです」
「そして今まさにウイスキー造りが行われようとしている
蒸留機の中も見せてもらうことができました」
伊地アナ「あ、すごい暖かい!なんか、いい匂いがしますね。
何でしょうね?発酵したお酒のような?」
中村「アルコールの香りがしますよね
これがアルコールができているモロミになります。
アルコール度数は7%前後です」
伊地アナ「これがウイスキーの元になるんですか?」
中村「そうです。これがウイスキーの元になります!」
「次に、ウイスキーを熟成させる貯蔵庫を見せてもらうことに」
伊地アナ「あー、すご〜い!たくさんの樽があります!
なんですか、ここは!え〜っ!
ちょっとなんか、夢の中の世界のような…
この古いのは、蒸留機ですか?」
中村「ええ。これは軽井沢蒸留所にあった蒸留機を
ここに持ってきて展示をしているんです」
伊地アナ「あくまでもオブジェということですね。
雰囲気ありますね〜!」
「実は、ニッポンのウイスキーは世界的に評価が高く、
長野県軽井沢の蒸留所で造られたものが、
2001年に初めて国際品評会で金賞を取るなど、
その草分け的な存在となりました。
今は閉鎖された、この蒸留所の設備を買い取った中村さんが
静岡でのウイスキー造りに一部を利用し、また展示することで
世界のウイスキーファンからも注目を集めているんです」
(※実際の所在地は、長野県御代田町)
「この蒸留機はなんと60年前から使われていた大変貴重なもの」
「そんな中村さんが、
このオクシズでウイスキーを造りたいと
思ったのには理由があったんです」
中村「そして周りの豊かな自然、綺麗な空気。
ウイスキーを熟成させるということは、
樽自体が周りの空気を呼吸するんですね。
いかに綺麗な環境であるか、
それが非常に大事だったというのがあります」
「この蒸留所で初めて造ったウイスキーは60樽。
去年12月に予約の受付をしたところ、大きな反響がありました」
(※実際には、撮影時点までに製造したウイスキーが60樽です。
昨年受付した樽の予約分とは異なります)
伊地アナ「そんなに買いたいという人がいる??」
中村「いらっしゃるんですね」
「その販売方法は特徴的です。
ひと樽丸ごとの所有者になれるオーナー制になっているんです。
樽の大きさによって違いますが、小さい物ならおよそ30万円から
100万円というお値段!
150以上の予約が入ったというんですね。」
「こちらは蒸留所のテイスティングルーム。
蒸留したての原酒は無色透明だって言ってました。
樽の中に入れて熟成することで
ウイスキー独特の琥珀色に変わっていくんです。
スコットランドでは3年間熟成して、
初めて『ウイスキー』と呼ばれる飲み物になるんです」
(※画像の5年物は、弊社が輸入しているスコッチウイスキーです)
伊地アナ「たしかに、アルコール強いという感じがするんですけど
それ以外にフルーツのような爽やかな香りがするんですよね」
伊地アナ「お〜!つよいっ!!」
伊地アナ「たしかにアルコール度数が強くて、
一回はカーッと流れていくんですけれど、
その後にフワーと口の中に、本当にいい麦の味が広がります。
コレ、美味しい……蒸留したてって、美味しいんですね!」
中村「ええ、意外と美味しいんですよ(笑)」
「中村さんは、ウイスキーの品質はもちろんなんですが
ウイスキーの蒸留所ならではの、モノ造りの現場を
多くの人に見て貰うことで、地域の観光資源になると感じています」
中村「私自身、世界中の蒸留所を見て回っているわけですけれども
同じようにしてウイスキーを飲んだ方が『この場所に来たい!』と
日本全国の方はもちろん、
世界中の方がオクシズに来ていただけるようになる。
私はそう信じています」
「今年の夏頃から見学者の受入を予定している静岡蒸溜所。
もしかすると世界中から多くの見学者が
オクシズの山あいにやってくるかもしれない、と
近所の農産物加工所の人たちも大きな期待を寄せているんです。」
安本さん「私たちも、玉ゆらまんという地域の特産品をつくろうと、
いま、みんなでがんばっています」
「10倍どころでは、なさそうですよ!?
静岡市では、大きな集客が見込めるウイスキー蒸留所を
一大観光スポットにしたいと意気込んでいるんです」
「大きな期待がかかる静岡初の地ビールならぬ、地ウイスキー。
中村さんの夢は、さらに大きく広がります」
大沼アナ「中村さんのウイスキーへの情熱ってのはスゴイね!
だって、ほとんど独学でやった訳でしょう?」
伊地アナ「そうですね。特にウイスキーと言えば、スコットランド。
アメリカも有名ですけどね。そういった蒸留所を回って、
『これなら、自分でも始められるかもしれない!』
そう感じたんだそうです」
(※訂正※ 中村は、まだアメリカの蒸留所を訪問したことはありません)
森アナ「150樽完売したという樽のお酒は、いつ飲めるんですか?」
伊地アナ「あれは3年経つとウイスキーという飲み物になるわけです。
それで初めてウイスキーになったところで、じゃあ一本入れてみようかな、
といって飲むこともできるし、
それから、更に5年経ってもっと熟成したものを飲みたい。
ということで、樽の歴史とともに、流れの中で楽しめるという、
ちょっと変わった販売方法なんですよね」
森アナ「わずか3年後に飲むことができるんですね」
杉本アナ「だんだん成ってくる!成ってくる!!
みたいな気持ちも盛り上がってくる感じがします。
本当に目の付け所がすごくいいなあと思います。
それだけじゃなくて、実際にやれちゃうからスゴイですよね」
伊地アナ「借金もして、投資もするわけですが
いま日本のウイスキーが世界的にも注目を集めている理由というのが、
2000年代に入ってから世界の品評会の他、ウイスキーガイドの上位に
本場スコットランドの物を押しのけて、
続々と日本のウイスキーが入るようになってきているんです」
大沼アナ「ウイスキーといえば、普通スコッチだよね?違うんだ?」
伊地アナ「本場のバーでも『ニッポンのウイスキーはないのか?』と。
大メーカーの物はもちろん、個人のメーカーがつくるような物ですとか
あるいは軽井沢の蒸留所が賞を取ったというのが一躍有名になった。
テレビドラマも後押しして、国内外で引き合いが強まっている。
需要も伸びているんだそうです」
杉本アナ「日本人の技術力もスゴイんでしょうね」
森アナ「オクシズの自然の中に、この施設ができたことで、
より洗練された雰囲気というか、場所としても、
とても素敵な場所だなと思いますね」
杉本アナ「行ってみたいし、見てみたいですね。
ウイスキーといったら、ウイスキーボンボンくらいしか飲んだことないけど(笑)
でも、飲んでみたいし、見てみたいですよね」
伊地アナ「1000人ほどがいるという玉川地区ですが、見学ツアーができたらどうなるか、シミュレーションしてみようと思うんです」
伊地アナ「1000人が住んでいる場所に、静岡市は3万人くらいと言ってましたけれども」
杉本アナ「中村さん、逆に大変な背負っちゃうような感じになるかもですね」
森アナ「バスツアーのコースとかになればいいですね!」
大沼アナ「新名所になるかもね」
伊地アナ「世界からも、ニッポンでクラフトウイスキーを
どんな製法でつくっているのか?と
海外の人が大挙してオクシズに見に来たりしたら、
どうなるんだろう?
今からワクワクしますけれども、
みなさんも注目したいただきたいと思います。
この夏には見学コースを整備していきたいと、
中村さんは話していました」